ワインについて その2 赤ワイン製造法

お酒の知識

ワインがブドウから造られているというのはほとんどの方がご存知のかと思います。
しかしそれがどのように?となると説明できる人はガクンと少なくなるのではないでしょうか。赤ワインと白ワインはどういう風に造られるのか?黒ブドウと白ブドウの違い、とは限らないんですよ〜? スパークリングワインの泡はどっから出てくるのか?

そういったところを説明してまいりたいと思います。

今回はまず赤ワイン!

赤ワインは黒ブドウから造ります。

①収穫(ヴァンダンジュ、Vandange)

まずはブドウを収穫するところから。しかしただ実がなったら収穫という話ではなく、目的によってそのタイミングは様々です。

②破砕(フーラージュ、Foulage)、除梗(エグラパージュ、Egrappage)

ブドウを潰し、果梗(「ヘタ」の部分)を取り除きます。

③主発酵(フェルマンタシオン・アルコリック、Fermantation Alcoolique)

ブドウを潰して得られた果汁、果肉、種子の混合物 (果醪)を木桶やステンレスタンクに入れて酵母を加えます。その酵母の働きにより糖分がアルコールと二酸化炭素に変換されます。

④醸し(マセラシオン、Maceration)

アルコールの発酵中やその前後に果皮からアントシアニンという赤い色素、種子から渋みのもととなるタンニンを抽出する工程であり、これを行うことで赤ワインとなります(赤い色素やブドウの味がより濃く抽出される)。

⑤圧搾(プレシュラージュ、Pressurage)

発酵と醸しを経た後、ワインである液体部分と果皮・種子などの固体部分に分け、固体部分を圧搾機にかけてさらに液体を抽出します。

⑥マロラクティック発酵(Malo-Lactic Fermentation)

主発酵の後に、ワイン中に含まれるリンゴ酸(Malic acid)が乳酸菌の働きによって、乳酸(Lactic-acid)に変化する現象です。これにより、ワインがまろやかになったり、複雑味が増したり、成分が安定したりといった効果があります。ちなみにマロラクティック発酵という名前はついていませんが、ウイスキーの発酵でも発酵にかける時間により同様の工程を経る場合があります。

⑦熟成(エルヴァージュ、Elevage)

熟成を終えたワインを樽またはステンレスタンクに移し替えて一般には数年熟成させます。 樽で熟成する場合は空気と接触することでの適度な酸化、樽からの成分抽出(バニラ、スパイス、チョコレート、コーヒー、カラメルなどの香り)、ワインの色調の安定、風味の複雑化などが効果として挙げられます。

⑧滓引き(スーティラージュ、Soutirage)

熟成中には滓が沈殿するので、上澄みを別の容器に移し替えて滓を取り除きます。

⑨清澄(コラージュ、Collage)

ワインの透明度をさらに上げるために、場合によっては清澄剤を使用します。

⑩濾過(フィルトラージュ、Filtrage)

瓶詰めの前に各種のフィルターや遠心分離機を用いてワインを濾過します。

⑪瓶詰め(アンブティヤージュ、Embouteillage)

以後、ラベル貼りですとかそういう工程を経て、出荷されて行きます。
赤ワインの美味しさはやはりブドウの出来不出来によるところが多いものの、こうした製造工程でももちろん差は生まれてきますし、不作の年のハンデを製造方法で補うということもあります。

次回は白ワイン製造方法です!が、赤ワインと重複する点もやはり多いので、ロゼワインも一緒にやってしまおうと思います♪

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