バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

ウォッカについて

f:id:vagrantbartender:20180611160259j:plain

はい、また更新が滞ってしまいました。いかんですね。

 

今回はウォッカについて!

正直ウォッカについてはなかなか書きづらかったんですよね。
特徴がないのが特徴なので。

しかしそれゆえに、優れたカクテルベースとして活躍します。
ジン同様、ロックやストレートで飲むのが好きな方もいます。

その一方で、ジンやラムと違い常温ストレートはあまりお見かけしません。

現在のところは冷やして飲むのが主流と言えそうです。

 

ウォッカとは

12〜14世紀頃のロシアを起源とし、旧ソ連圏の諸国やポーランド、スロヴァキアなど中欧、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドといった北欧で作られています。

主に小麦やライ麦、じゃがいもを原料として糖化・発酵・蒸留をして作られていましたが、18世紀後半に新大陸からトウモロコシが入ってくるようになると、トウモロコシも使われるようになりました。また1810年にはサンクトペテルブルグの薬剤師アンドレイ・アルバーノフが炭の吸着作用を発見し、ピョートル・スミルノフがウォッカの製造に活性炭濾過を採用することで、クセのない酒質を確立しました。以来ウォッカは蒸留後活性炭で濾過することが通例になっています。

 

ウォッカの味

 ウォッカはクセのないお酒なので、なかなか味を語ることは難しいです。もちろん銘柄ごとに特徴はあり少し甘みを帯びたものからスッキリしたものまでありますし、アルコール度数によっても印象は変わってきます。しかし他の蒸留酒に比べると、違いは微妙なものであると言わざるを得ません。度数40%なら4割アルコール、残りはほぼ水ですので、しばしば原料由来のアルコールの味を楽しんでいると言われることがあります。しかし一口にアルコールといってもエタノールをはじめ様々な種類に分類されます。

 ・エタノール(アルコール香)
 ・n-プロパノール(アルコール香)
 ・n- ブタノール(アルコール香)
 ・i-ブタノール(アルコール香)
 ・i-アミルコール(アルコール香、バナナ様、甘い芳香)
 ・act-アミルコール(アルコール香、バナナ様、甘い芳香)
 ・n-ヘキサノール(ココナッツ様、青葉様)
 ・β-フェネチルアルコール(ローズ様、甘い芳香、化粧品香)
 ・2,3-ブタンジオール(温和な甘味)

 

原料や使用する酵母、蒸留の仕方によってこれらの組成が変わってくるため、ウォッカの味に違いがでてきます。

 

 スピリタスについて

 ウォッカといえばこれに触れておいた方が良いかもしれません。言わずと知れた?世界最強のお酒スピリタス。アルコール度数96度。ポーランドのお酒です。
 テキーラ同様調子付いた方々に人気?ですが、テキーラより危険性ははるかに上ですので決して一気飲みなどなさらぬようお願いします。

 

 そもそも、そのまま飲んでも別に美味しくない(苦笑)

 

 ではなぜこのようにバカみたいなアルコール度数のお酒が作られたのか。東欧の方々、特にポーランドもウォッカの国ですから物足りなくて作っちゃった!・・・なんてことはありません。

 果実酒を作るのが一番の目的で、アルコール度数が強い方がより効率的に果実のエキスをお酒に取り込むことができ、また保存性も高くなります。少量でも度数が高いのでソーダなどで割ったときにもしっかりコシのある味になります。そして少量のベースで沢山杯数が取れるので経済性も良いです。

 また、消毒用アルコールとして使われる事例もあるそうです(笑)

 そしてポーランドではストレートで飲む習慣は全くなく、ストレートで飲む人はバカ扱いをされるそうです。まあそうですね。

 

 このように過激なスピリッツなのでバーの方針により置いてあるところとそうでないところがあると思います。基本的にあまり出したいお酒でもありません。さほど高い金額を請求できるお酒ではなく、また過度に酔っ払ってしまえばそれ以上の売り上げは見込めなくなります。そしてトラブルのもとになるのが目に見えていますから。しかも最悪死亡事故や火事を招く危険性もあります。扱い方を考えないとお店側にとってロクなことにならないのです。

 果実酒を作る以外でのバーでの使われ方は「アルコールの底上げ」でしょうか。一般的なレシピにスピリタスをちょっとだけ足す。そうすることによってパンチのあるカクテルができたりします。それでもやはり調子に乗って足しすぎない様にしましょう。スピリタスでウォッカトニックを、ということもあるんですが、パンチがあるというだけでもともとが別に美味しいウォッカではないので、美味しくはなりにくいですね。

 

スピリタスじゃなくても

 最高に強いお酒=スピリタスですが、スピリタスが有名すぎて、それ以外の最強クラスを知らない方は多いと思います。いろいろありますが、おすすめをひとつご紹介しておきます。

 

f:id:vagrantbartender:20180611155419j:plain

ドーバー・スピリッツ88。

日本産のウォッカです。アルコール度数88度。

これ美味いんですスピリタスと違って。

試しにストレートでも飲んでみましたが、想像より全然飲みやすい。結構甘味を感じます。ヤバイと思いました。88度は88度ですから。

なので、20cc程度をトニックウォーターで割るのがオススメです。

蒸留酒をロックで飲むのが好き、というくらいにお酒が強い方にはぜひお試しいただきたいと思います。

テキーラについて

f:id:vagrantbartender:20180528163534j:plain

はい!今回はパリピ&ウェイ系御用達アイテム、テキーラでございます!

パリピとウェイがどう違うのかは良く知りませんが!

 

と、そんな切り出し方ではございましたが、私はテキーラが専らそういうお酒だと思われるのはあまり好ましく思ってはおりません。たまになら良いんですけどね・・・。他の蒸留酒同様、ロックや何かでしっかりと味を楽しむということも知ってほしい。そんな思いも込めての記事になります。

 

 

テキーラとは

 テキーラの原料は竜舌蘭(リュウゼツラン)と呼ばれるアロエに似た植物を原料としています。たまにどういうわけかサボテンが原料だと思っている方がいらっしゃいますが、サボテンは全く関係ありません。

 竜舌蘭を英語ではBlue Agave (ブルーアガヴェ)、メキシコではMaguey (マゲイ)、正式名称はagave azul tequilana weber (アガヴェ・アスール・テキラーナ・ウェバー)と言いますが、単にアガヴェということが多いです。

 

 そして「テキーラ」と呼ばれるためには法律で定められた幾つかの条件があります。

・ハリスコ州グアダラハラ市近郊のテキーラという村とその周辺で蒸留されること。

・ハリスコ州、グアナファート州、タマウリパス州、ナヤリ州、ミチョアカン州で生育されたブルーアガヴェを使用すること。

・原料は「アガヴェ・アスール・テキラーナ・ウェーバー」を51%以上使用すること。

・最低2回蒸留すること

・最終アルコール度数は35%から55%の間であること

 

 

 

などです。

 これらの条件を満たしていない竜舌蘭の蒸留酒は「メスカル」と呼ばれ、より地酒としての性質が強いので一般的なテキーラでは満足できなくなったマニア層にはこちらの方が好まれる場合もあります。

 

テキーラの製造方法

【収穫】

竜舌蘭の収穫。地上にでている葉ではなく、地中に埋まっている「ピニャ」と呼ばれる根の部分を使用します。

f:id:vagrantbartender:20180528141350j:plain

デカいですね、はい。この収穫のプロをヒマドールといいます。


【加熱】

 ピニャを加熱。伝統的なレンガづくりのオーブンやアウトクラベと呼ばれる圧力窯を用いて蒸しあげられます。

 

f:id:vagrantbartender:20180528142134j:plain

 

【粉砕・搾汁】

 粉砕して汁を絞り出す。伝統的には「タオナ」という石臼が使われていましたが、今は3箇所のみ。現在はシュレッダーで粉砕しているところがほとんどです。

 

【発酵】

ここからはウイスキーなどの他の蒸留酒同様、絞り汁を発酵させます。自然発酵に任せる造り手もいれば、酵母を用いて人為的に発酵を促す造り手もいます。

 

【蒸留】

発酵が進んだら蒸留に移ります。上記のようにテキーラを名乗るためには最低二回の蒸留が必要です。

 

【熟成】

樽を使って熟成。樽の種類に決まりはありませんが、アメリカのバーボン樽が主流。他に新樽やシェリーの樽なども使用されることがあります。

 

テキーラの種類

ひとくちにテキーラといってもいろいろな種類がありますね。色が付いてたり無色だったりというのを見たことがある方も多いでしょう。

 

【ブランコ】(Blanco、英語のWhiteに相当)
全く熟成させない無色透明のもの。

【レポサド】(Reposado、英語のReserveに相当)
60日間以上熟成させたもの。

【アネホ】(Anejo、英語のAgedに相当)
1年以上熟成させたもの。

【エクストラ・アネホ】
3年以上熟成させたもの。

 

 

 

他の蒸留酒同様、熟成期間が長くなるほど高級品として扱われます。

 

 さらに産地によっても個性が変わってきます。

 テキーラの産地は主にローランド(またはテキーラヴァレー地方)とハイランド(またはロスアルトス地方)の2つに分かれ、グアダラハラ市街を中心に西と東に分かれています。

 

 ローランドは伝統的な製法を重視し、あまりピニャの皮を切り落とさなかったり芯も残したりと、辛口でワイルドな味わいのものが出来上がります。

反対にハイランドは皮を分厚く切り取り、また芯も完全に落として果実の部分だけを用いることで、甘くエレガントなイメージの味わいになります。

 

 こうしたテキーラの「味の違い」を意識して飲んできた方は、あまり多くないのではないでしょうか。

 

個人的に思うこと

 テキーラ=一気飲みのイメージをもつ方は多いことでしょう。もちろんショットグラスというのはそのためにあるので、それ自体は悪いことではないのですが、どうもそればかりだとなんだかなあ、という気がします。騒がしい人たちが酔っ払って乱痴気騒ぎをするときのお酒というイメージばかりが取り上げられるのは、少し残念に思います。

 ワイン=ウンチクが面倒臭い、ウイスキーやブランデー=おっさん臭い、シャンパン=高い、セレブ気取り・・・それぞれのお酒にネガティブなイメージはあるものですが、テキーラはやたらとそれが強い。

 正直、テキーラを一気飲みして調子に乗っている人たちをみると、年齢問わず子供だなと思います。それで酔っ払って潰れて人に迷惑をかけたり、自分が嫌な思いをするのは成熟した大人のとる行動ではないでしょう。

 テキーラをたくさん飲めることは、偉いことでもなければカッコいいことでもなんでもありません。
バーテンダーの私からすれば、大して強いお酒でもありません。強さで言えば前述のとおり35〜55度と決まっており、大体が40度ほど。蒸留酒としては平均的なものです。

 クラブのようなところならまだしも、バーでそのノリを出してしまうのは、ちょっといただけないです。ややこしいですが、そのノリというのは一気飲みをすることではなくて、「テキーラ一気飲みで盛り上がっている俺たちイケてる」言動やオーラを出すことです。飲み手としての経験値(※)の低さを露呈することになるので、バーテンダーからも、周りのバー慣れしているお客様からも、ガキ認定されてしまいます。

※)しばしば社会人としての経験値と同一視される場合があります。「あの人飲み方知らないんだな〜」というのはお酒の席だけの評価に留まらないことはなんとなくご想像いただけるかと思います。これが一番怖いところ。

 

 どうせやるならハプスブルグ アブサン エクストラ・ストロングでやりなさい。

 

・・・冗談です。

バーに来たら、そろそろそういう飲み方は卒業して、それぞれの銘柄の違いを楽しんでみるとか、そういう大人の飲み方にシフトしていくのをお勧めします。その方が、周りから一目置かれる存在になっていったりするものではないかな〜、と私は思います。

蒸留所巡りその2〜安積蒸留所〜

f:id:vagrantbartender:20180521192654j:plain

実は井山計一さんの「ケルン」を出たあと、調子に乗ってもう一軒いったので結構な酔っ払い状態で宿に戻り、すぐ就寝。
翌朝きちんと起きたはいいけれども風呂に入っていなかったので宿の自慢の薬草風呂へドボン!シャキッとした気分になってからチェックアウト。

 

 目指すは福島県は郡山市。260kmの道のり。

f:id:vagrantbartender:20180519110003j:plain

月山(がっさん)からの一コマ。

 

 

 その日は5月半ばにも関わらず東日本各地で30℃を超える日で、日差しとの戦いが大変でしたけれども(冷房つけててもフロントガラスを通しての直射日光は熱い、眠くなる)、どうにか無事到着。

 

笹の川酒造の運営する、「安積蒸留所」!

 

 実は見学は水曜日の14時からと決められていて、そこに合わせての旅程となりました。私を含めお酒に関する仕事をしている人ならそれ以外の時間でも事前に申し出れば大丈夫とのことでしたが、私一人のために時間を割いてもらうことになったらそれは少し申し訳ないので、蒸留所側でルーティンとして設定している水曜日の14時にお願いをしたのでした。

・・・結局見学者は私一人だけだったんですけど(笑)

 案内をしていただいたのは、なんと笹の川酒造の代表取締役専務の山口さん。
 ひとり応接室でまずは笹の川酒造の歴史や、今回改めてウイスキーを作ることになった経緯をレクチャーしていただきます(1923年からウイスキーは作っている)。

 

 そしていよいよ蒸留設備の見学に。

 

f:id:vagrantbartender:20180519110526j:plain

蒸留所の入り口。雑誌とかでよくみてたやつだ!

 

中に入ると・・・

 

f:id:vagrantbartender:20180519111048j:plain

出入り口脇にすぐあるのが粉砕塔。ここれ仕入れて来た乾燥麦芽を粉砕して粉状にします。

 

f:id:vagrantbartender:20180519111233j:plain

次に糖化槽。ここで粉状になった麦芽に水を加えて麦汁に。

 

f:id:vagrantbartender:20180519111405j:plain

ステンレス製発酵槽。

 

f:id:vagrantbartender:20180519111802j:plain

蒸留所のシンボル、ポットスチル。三宅製作所製。

f:id:vagrantbartender:20180519111859j:plain

f:id:vagrantbartender:20180519111902j:plain

f:id:vagrantbartender:20180519114334j:plain

 

 さらっと写真載せましたが、ここまでポットスチル他、蒸留設備に近づいて見ることができる場所はそうそう存在しません!サントリーやニッカなどの大手の蒸留所に見学に行ったことのある方はご存知かもしれませんが、大体設備の周りには柵やガラスがあって、お客さんはある程度の距離をおいてしか見られないようになっています。

 それがどうでしょう。私が訪れた時に初留釜が稼働していまして周囲にも熱気が立ち込めていたのですが、なんなら釜を触って火傷できるくらいでした。

 写真にも載せませしたが、空いている釜(これは再留釜)の中身を直に覗けるなんてことも、そうそうあるものではありません。

 

 

f:id:vagrantbartender:20180519115039j:plain

初留釜で蒸留された1回目の蒸留液(ローワイン)が右側の蛇口から続々と流れ出て来ます。

 

 そして、ひとつの空間にすべての蒸留設備が備わっているのも初めての経験でした。
 まるでガレージの中ですべての工程を手作業で行っているような、まさにクラフト蒸留所といったところです。

 

 つぎに移動したのは樽の貯蔵庫。

f:id:vagrantbartender:20180519115621j:plain

f:id:vagrantbartender:20180519115631j:plain

f:id:vagrantbartender:20180519115647j:plain

f:id:vagrantbartender:20180519115715j:plain

 

アメリカンオークのバーボン樽を中心に、ワイン樽、そしてミズナラ製樽もちらほら使っているとのこと。現状はいろんな原種を作り分けてバラエティ豊かなラインナップを揃えて市場のニーズに応えられるようにしていくようです。

f:id:vagrantbartender:20180519115701j:plain

そしてやはり注目してしまうのがこちら。

笹の川酒造はイチローズモルトの前身、東亜酒造が羽生蒸留所を閉鎖した際に一時その樽を預かっていたことでも有名なのですが、その頃の樽がまだ残っているそうで。

 

この樽だけでなく、後ろ(写真右側)にもいくつも樽が並んでいたので、

「見る人が見たら、これ、宝の山じゃないですか?」と聞いたところ、

「どれくらい中身が残っているかわかりませんが(※)、全部売ったらもしかしたら蒸留所がもう一軒建つかもしれませんね〜(笑)」とのこと。

 

 (※)ウイスキーを何年も樽熟成していると、自然蒸発によって少しずつ量が減っていく。これを天使の分け前と呼びます。

 

 熟成庫をあとにして向かったのはお待ちかね試飲&ショップコーナー。

 お待ちかねとはいったものの今回は車で来ているので飲めましぇん・・・わかっていたけど残念無念。

 おいてある商品は笹の川酒造の日本酒・焼酎など既存のラインナップのほか、お土産サイズのニューポット(蒸留したてで熟成をしていない無色透明の蒸留酒。国によってはウイスキーと呼べない)だったり、フルサイズで数ヶ月熟成のものがあります。

 

 飲めないのでそれぞれの香りを楽しませてもらったところで、代表取締役・山口さんによるトップセールス発動。

 

・・・

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 お買い上げ〜(笑)

 とても貴重な一本を手に入れました。ぐふふふふ♪

 

 

 ところで今回の見学者は私だけだったのですが、さすがにまだ見学者はあまり多くないのかと伺ったところ、普段はそんなことはなく多数の見学の方で賑わっているのだとか。そもそもいろんな方がいろんな曜日にきて山口さんがぜんぜん通常業務ができないから毎週水曜14時に固定したそうです(笑)

 

 ということは私はまたまたラッキーだったようです。マンツーマンですからね!
 大勢の中では貴重なボトルのお買い上げもできなかったかもしれません。

 

 さてこれにて1泊2日の蒸留所&聖地ケルン巡りは終了。
 車移動はなかなか大変でしたが、非常に良い経験となりました。

 なかなか機会が限られますが、こういう蒸留所巡りや旅日記はどうにかシリーズ化していきたいものだと考えております。

 

 ではこれにて!

伝説のバーテンダー

f:id:vagrantbartender:20180518111406j:plain

日本にはレジェンドといわれるバーテンダーは多くいます。

大体は銀座界隈に集中しておりどなたも素晴らしいバーテンダーです。

そしてやはりそれぞれに個性があるので一般的なバー、バーテンダーと同様にお客様の個性やその日の気分、飲みたいお酒によって合うバーテンダーは変わってきますので、レジェンド級のバーテンダーであっても多いに越したことはないと思います。

 

そんな中、まさにレジェンド・オブ・レジェンズと言うべきバーテンダーが、銀座ではなく山形県の酒田市にいらっしゃいます。

 

井山計一氏。御年92歳。

山形県酒田市において「ケルン」を経営。現役最高齢のバーテンダー。
オリジナルカクテル「雪国」が1958年の寿屋(現サントリー)カクテルコンクールで優勝し、現在では世界的なスタンダードカクテルとして知れわたる。

 

 

お会いして来ました!!

 

 

 19時過ぎにお店に入ると、井山さんはテーブル席の椅子に腰掛けてテレビで野球を観てました笑

 ウエイトレスの可愛らしい女の子に案内されてカウンターに。いきなり雪国を注文するのもいかにもな感じでアレだな〜、と思い、一杯目はジントニック。

 

 二杯目に雪国を注文しました。

f:id:vagrantbartender:20180518112056j:plain

 

当初は、雪国を頂いたら早々に店を出るつもりでした。何と言ってもご高齢、前日も体調が悪くてお店を休みにしたと伺っていたのでそう無理はさせられないだろうと。

・・・大変申し訳ありません。私、伝説のバーテンダーをナメてました。

 

まさかのマシンガントーク笑

 

 「いや〜昨日はなんだか鼻水とまんなくてさ〜」から始まり、仙台での修行時代から、雪国のこと、他のコンクール受賞作や、その授賞式でのこと、NBA(日本バーテンダー協会)のことなどなど・・・結構休む間も無く喋り続けます。

 

  私のあとにもう一名男性が入って来たのですが、その方とは北海道の苫小牧あたりの炭鉱についてお話されてました。その辺にも短期間で住まれたことがあるらしく。

 私はその話は聞いたり聞かなかったりでしたが、とにかく話が面白い。やはり年齢分ネタの宝庫です。

 意外だったのが、今でも仙台や全国各地のバーのイベントでの講演等の依頼が絶えずあるそうです。向こうが来るならともかく、東京やら大阪にしょっちゅう来いとは、なかなか容赦ないなあと思っていると、最近は断ることが多いのだとか。やはり高齢だしなと思っていると、

 

「いや〜、杖ついて歩ってんの、見られたくないんだよね〜」

 

このセリフに、現在まで現役バーテンダーを続けて来られている、矜持のようなものが込められている気がしました。

 あくまで人に見られる仕事であるということ。プライドを持って仕事をしていること。大事なことを教えられたような気がしました。

 世界的スタンダードカクテル「雪国」で有名な井山さんですが、それはこの方のあくまで氷山の一角に過ぎないというのが、実際にお会いして得た印象です。正直なところ、技術面では手元がおぼつかない部分がどうしてもありますが、接客の面においてはその年齢を忘れさせるものがあります。

 

 ということで、2杯で帰るつもりが、マティーニ、プチシャトー(1981年 日本バーテンダー協会主催 全国バーテンダー技能競技大会 創作部門優勝)を加えた4杯をいただき、結局閉店間際の22時までいてしまいました(汗)

 

 これがバー、だなあ・・・

 

 私のいた時間帯で訪れたのは私と、前出の男性一名のみでしたが、この期間はゴールデンウィークと、18日から始まる酒田まつりとの間の期間で閑散期になるそうです。

 ゴールデンウィークは物凄く多忙だったそうで。しかもみんな井山さん目当てに来るので、誰かが代わりにカクテルを作ることも許されない(以前奥様がご健在の時にカクテルを作ろうとすると「母ちゃんのは頼んでないよ〜」と言われてしまっていたそうです)とのことなので、井山さんが奮闘するしかない。いやはや頭が下がります。

 

 そう考えると、今回私が訪れたタイミングは、私としては非常にラッキーだったようです。あの井山さんをほぼ独占できるなど、そうそうないことなのでしょう。 

 ※私自身「バーテンダーを独占してはならない」って言ってますもんね苦笑

 

www.vagrantbartender.com

 非常に満足した気持ちでお店を後にしました。
  初来店で、しかも遠方のお店で、ここまで来てよかったと思えたことは初めてかもしれません。「ぜひまた訪れたいバー」がひとつ増えました。その時は今回とは違ったお酒を注文したり、井山さんはいらっしゃらないとのことですが、ランチタイムのコーヒー等も大変評判がよいとのことなので訪れてみたいと思います。

 

 ところで、この井山計一さんの半生とその代表作「雪国」が映画になるそうです。

 その名も「YUKIGUNI」。

 

yuki-guni.jp

f:id:vagrantbartender:20180519100154j:plain

 

 

 

地元である酒田にはこの映画のポスターが張り巡らされていました。
 5月24日、6月23日、24日に酒田では上映されるそうですが、全国ではいつ、どこの映画館で上映されるかはまだ未定だそうです。

 発表されたらぜひこのブログでお知らせしたいと思います。

 

 

良い気分で宿に戻り、すぐに就寝。
翌日はまた違う場所へ移動するのでいつもより早起きです!

蒸留所巡りその1〜遊佐蒸留所〜

f:id:vagrantbartender:20180521192803j:plain

遅めのゴールデンウィークが降ってきたので、ここぞとばかりに小旅行へ。

気になっていた蒸留所を訪れることにしました。

第一弾は今話題のクラフト蒸留所。
山形の金龍という焼酎メーカーが手がける「遊佐蒸留所」です。

yuza-disty.jp

 

しかしこの遊佐蒸留所・・・

まだ建設中なのです(笑)

でもせっかくの休みだし、山形には他に行きたいところもあるし(むしろこっちがメインになってもよい)、建設中でも行ってみようということで。

 

山形県は酒田市まで来てみました。

f:id:vagrantbartender:20180516195938j:plain

f:id:vagrantbartender:20180516195959j:plain

 

運営元の金龍さん。
事前に電話をして、遊佐蒸留所建設中で見学とかそういう段階でないのはわかってるが、ぜひ行ってみて離れたところからでも良いから写真を撮りたいという旨を伝えて承諾は得ていたのですが・・・

 

でもなんでここで遊佐蒸留所っていうんだろう。地図見たら北のほうに遊佐町ってあるようなんだけどそれとは別なのかな・・・?

 

そして建設中らしい建物は見当たらないなあ・・・

 

はい勘違い。

 

私、どういうわけか会社のある場所に蒸留所もあると信じて疑わなかったんですよね。遊佐って町名があるの知ってるのに。

 

というわけで遊佐町に GO!
どういうわけか、金龍さんに電話するなり目の前にあるのだから直接訪ねるなりして遊佐のどこに蒸留所が所在しているのかを聞く気にはならなかったんですよね。

妙なところで最短距離を取らない癖が出ました。

f:id:vagrantbartender:20180516213831j:plain

f:id:vagrantbartender:20180516214030j:plain

向かったのは・・・

 

 

f:id:vagrantbartender:20180516214320j:plain

f:id:vagrantbartender:20180516214409j:plain

遊佐町役場(笑)

 

建設の届けはここにしてるはずですし、わからないってことはないでしょう!

 

とはいえ一階は転入転出の届けや租税関係でどこに聞いたらよいかわからぬ・・・
とりあえず近くにいるおばさま職員に聞いてみることに。

「えっと、一番詳しい課長が今さっき車で出るのみましたね・・」

なにぃ〜

 

「でも他の者もある程度わかるので」
と2階に案内されました。どうにかなるかも??

 

担当を変わったおじさんに用件を話し、住所を教えて欲しい旨を伝える。

おじさんは承諾してくれ、自分のデスクで誰かと電話でやりとり。
うーむその場でわかることではないのかな・・・

 

電話を終えたおじさんが開口一番

「あの・・・住所ってなんかに使います??」

 

!?あ、いやいやいやいやただの個人の見学(?)希望で写真撮れればよいなと思ってるだけなんで、住所の数字とかは必ずしも必要でなくてここからどうやっていけば良いのか、そうですね、簡単な地図みたいなものがあれば充分です!

 

「一応、まだ非公開のものなので・・・」

 

ま、そうですよね・・・

 

そんなやりとりがありつつも、地図ゲット!!

f:id:vagrantbartender:20180518052246j:plain

対応してくださった職員さんにお礼をしつつその場を辞して一路地図で示されたポイントへ!大体車で10分もかからない距離みたい。

 

おかげさまで迷うことなく着きました!!

f:id:vagrantbartender:20180518052327j:plain

f:id:vagrantbartender:20180518052419j:plain

f:id:vagrantbartender:20180518052424j:plain

遊佐蒸留所。住所はまだない(笑)

 

わかっちゃいたけど本当に建設中で、工事の人以外誰もいませんでした。
写真だけ撮りに来ている変な輩も私だけ・・・。

しかし大体の輪郭がわかるところまでは来ていましたね。これがもし基礎工事だったら本当に蒸留所なのかどうかもわからない。

 

f:id:vagrantbartender:20180518052725j:plain

 

蒸留所の目の前に広がる水田。入り口近辺は古い民家が立ち並ぶ住宅地。道に看板や案内図があるわけでもなく、これは教えてもらわないとわからなかったでしょう。

 

運営元の金龍さんによると建屋の完成は8月頃とのことで、そこから各設備の搬入があったり試験運転などがあるので、おそらく本格稼働は2019年になると思われます。

今から楽しみですね〜!

 

※ちなみにこの蒸留所の情報を知ったのはウイスキー専門誌「Whisky Galore」にてなんですが、帰宅後に読み返したら住所途中までですが地域がわかるくらいまでには書いてありました・・・とほほ・・・
とはいえそのまま近くまで行けてもやはりわからないだろうな・・・

 

 

さて写真を撮ったらそれ以外は特にできることもないので酒田へ戻ります。

今夜は酒田に一泊。
酒田と言えば伝説のバーテンダーがいるので、ついに謁見のときを迎えます!!

 

それは次回に。

ラムについて

f:id:vagrantbartender:20180514183742j:plain

さてお酒についてシリーズ再開します。

今回は海にまつわるお酒の代表格、ラムでございます。

ジン同様、ラムの歴史を紐解くところから始めましょう。

 

ラムの歴史

 時は16世紀の大航海時代(地理上の「発見」時代)に遡ります。

 1492年にかの有名なコロンブスが新大陸を発見し帰欧した後、アメリカに向けて2度目の航海に出ているのですが、その時にスペインのカナリア諸島(サッカーの柴崎岳選手が在籍していたテネリフェや移籍の噂があったラス・パルマスなどがあるアフリカに近い島々です)産のサトウキビをカリブの島に移植しました。今でこそラムといえば中南米、カリブの島々のイメージが非常に強いですが、実はサトウキビはその地域の原産のものではなかったのです。ちなみに原産はニューギニアあるいはインドとされているようです。

 そうして持ち込まれたサトウキビによってまず作られたのはラムではなく、砂糖でした。当時「甘み」というのは非常に貴重であり、しかしそれが大量生産できる気候と土地があるということで、砂糖の生産は新大陸に進出したヨーロッパの国々の一大事業となりました。

 そこで必要となる多大な労働力として使われたのが先住民のインディオやアフリカから奴隷として連れて来られた黒人たちです。そして黒人を強制連行するために必要な武器がヨーロッパから西アフリカへと渡ります。

 ここに、ヨーロッパから武器や綿織物などをアフリカへ、アフリカから奴隷を中南米カリブへ、カリブからヨーロッパへ砂糖を取引する三角貿易が成立しました。

 

 さて、狙い通りに砂糖は大量生産されてヨーロッパに輸出されるようになった訳ですが、サトウキビから砂糖を作るときには結晶化して砂糖になる部分と、結晶化しない部分があります。結晶化しない部分は糖蜜と呼ばれ、砂糖の生産量に比例して糖蜜が出来る量も増えていきます。そこで、この糖蜜を発酵、蒸留させることでラムが誕生しました。

 

 当初は奴隷達を手なづけるためや船乗りの壊血病対策のお酒として用いられた、あまり品質の良くないものでしたが、1693年に、フランスからカリブのマルティニークに渡ったフランス人修道僧ペール・ラバがコニャックの蒸留機や技士を持ち込み、ラムを本国の酒造り同様に行うようにした結果、その品質は飛躍的に向上したと言われています。

 

 現代のラム

 現代のラムは中南米に限らず東南アジアや日本の小笠原諸島や南西諸島、ついには本州でも生産されるようになっています。またラム専門バーが各地にありマニアを虜にしている他、近年ではモヒートの人気もあり一般的にも広く好まれるようになってきています。

 

※参考:日本ラム協会「ラムの歴史」

ラムの歴史 | 日本ラム協会 Official Site

 

ラムの製法

 前述のようにラムはサトウキビから出る糖蜜を発酵、蒸留することで作ります。
 蒸留後、まったく熟成されないものをホワイトラム、数ヶ月〜3年未満の間熟成させて黄金色になったものをゴールドラム、それ以上の長期の熟成期間を経て茶褐色になったものをダークラムと言います。

 また製法においても、トラディショナル、アグリコール、ハイテストモラセスの3種類があります。

 トラディショナルはその名の通りラムが作られ始めた頃からの伝統的な作り方、すなわち砂糖を作るときに出る糖蜜を使用するもの。

 アグリコールは砂糖を作る工程を経ず、サトウキビを100%ジュースにして蒸留する製法。

 ハイテストモラセスはサトウキビジュース100%を加熱し、シロップ化したものを原料とする最も新しい製法。加熱し固形化した黒糖を原料とするものも含まれます。

 

参考:日本ラム協会「ラムの種類」 

ラムの種類 | 日本ラム協会 Official Site

 

 モヒートについて

 近年人気のモヒートですが、改めてどういったものか触れてみましょう。

 【モヒートとは、ラムをベースとして、ミント、ライム、ガムシロップを加えて潰したものにクラッシュアイスを入れ、最後にソーダで満たしたものである】

 というのが標準的なレシピでしょうか。標準的というのは、モヒートもお店やバーテンダーによって作り方が様々ですので、例えばラムがダークラムであったり、ライムの果汁のみを使用して果肉が入っていたりいなかったり、レモン果汁も併用していたり、ソーダは加えなかったりということがあります。

 知っておくとポイントが高いと思われるのは、ミントを使用すると書きましたが、本場であるキューバで使用されるのは日本でよく売られているスペアミントではなく「イエルバ ブエナ」という種のミントであるということです。イエルバ ブエナにも様々な種類がありますが、キューバンモヒートで使用されるのはどうやらスペアミントとパイナップルミントの交配品種が多いようです。日本で売られている一般的なスペアミントと比べると葉が大きく、野性的な見た目と香りがします。最近はネット通販や地域によっては店頭でも手に入るようになったので、モヒートにこだわりのあるお店ならイエルバ ブエナを使用していると思います。

  どういうモヒートの作り方をしているかによってもどういったバーなのかがわかると思います。上記のようにラム、生のライム(の果汁)、生のミント(やイエルバ ブエナ)を使用して丁寧に作って入ればそこそこのレベルのお店だと思われます。逆に炭酸を注ぐだけでできあがるようなモヒートの素みたいのを使っているところは、あまり味は期待できないでしょう。前者はオーセンティックバーやホテルバー、ラム専門バー、高級志向のショットバーに多く、後者はカジュアルなショットバーやダイニングバー、スペインバルなどに多いように思います。一口にモヒートといってもイメージ通りのものが出てくるとは限らないということを覚えておきましょう。

 

 私にとってのラムの印象

 私の考えではとにかく一番カオス!なのがラムです。何がカオスかと言いますと、「法律による規制」「大企業による生産管理」が一番なされていないのがラムという印象です。サトウキビを原料とした蒸留酒であればラムと見なされるという、あってないような縛りなので世に知られていない銘柄が数多ありますし、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラの4大スピリッツの中ではもっとも「地酒」感が強いと思います。

 バカルディハバナクラブ、マイヤーズなどに代表される有名銘柄も多くありますが、やはり大企業傘下にないラムの生産量はまちまちで、日本に入ってくるタイミングも不定期だったりします。

 要は、良く言えば自由、悪く言えばテキトー。。。

でも、このテキトーさを楽しむのがラムを飲むのには一番の環境のような気がします。歴史やら製法やら書きましたが、飲むときにはそれは一旦置いといて、夏の晴れた日に水着のおねーちゃんやら6パックのおにーさんやらを肴にクラッシュアイスやらモヒートやらでかる〜く楽しむ。傍に葉巻なんてあるとさらに良いのですが。夜にはストレートやロックでしっぽり。オーセンティックバーもいいですが、陽気な音楽のかかったカジュアルなお店もいいですね。

 お酒は楽しく飲むものとはいうものの、しみじみしたかったり物思いに耽りたかったりということもあるでしょう。お酒を飲むときの「楽しさ」というのは必ずしもテンション高めではありません。しかしラムは陽気な気分のときや、陽気になりたいときにぴったりのお酒かなと思います。

 

 ラムについてはこれにておしまい。
 さて次回はパリピの必需品、テキーラでございます!!

バーの謎2 「ありがとう」

f:id:vagrantbartender:20180511014833j:plain

シリーズ化になるかどうか非常に怪しいところでしたがバーの謎、第二弾。

 

 バーでお酒を提供した際にお客様が「ありがとうございます」っていうこと・・・多くないですか??

 

 特に言わなければならないルールはありません。
 かといって、もちろん言われて嫌なはずもありません。

 私もお客さんの時は、結構言います。というか無意識に言っちゃいます。

 

 でもこれってバーならではのことのような気がします。
 たしかに居酒屋の店員さんに何か持ってきてもらった時に言うことはあるかもしれませんが、でもバーほどではない。

 

  やはりこれは目の前でそのバーテンダーの持てる知識や技術を惜しみなく使って「自分のお酒」が供される過程を見るから自然とそうなるのだと思います。

 また、お酒もまた一期一会のもの。
 カクテルは厳密には同じものはないですし(もちろん一定の味を心がけますが、お客様の体調や季節気温その他環境は絶対に一定ではないため)、環境の影響を受けやすいワインや日本酒はもとよりウイスキーなどの蒸留酒もボトル内の残量や保存状態などにより味が変化します。次回来店した時にはもうなくなってメーカー終売で入荷しませんなんてことはしょっちゅうです。そんな中で飲みに来られる日は限られているでしょうし、さらに飲める杯数にも限度があります。
 だからバーのお酒も「有り難い」ものと言えるのではないでしょうか。

 だとすれば常に、「ありがとう」と言っていただけるサービスを心がけたいものです。間違っても「言うのが当然」などと奢らないように。「ありがとう」と言っていただくためのサービスではなく、お客様が無意識にそう口にしてしまうようなサービスですね。

 

 昨今世間を賑わせているAI関連の問題で、(特にアメリカの)バーテンダーは機械に仕事を奪われてしまう職業の一つに数えられることもあるようなのですが、私は全く心配していません。
  現在のところ、お酒を提供してくれた機械に心から「ありがとう」という人はいないように思われるからです。コンビニでカップを買ってマシンで抽出するタイプのコーヒーは値段よりとても美味しいとどのチェーンにも定着していますが、それが出来上がった時マシーンにお礼言う人、いないですよね(笑)。例え今後「あなたの好みのコーヒーをお選びします」というものが出てきたとしても、やはり同じかと思います。

 

 こういった人と人とのやりとり、感謝や感情のやりとりがバーの醍醐味である限り、バーテンダーの仕事がAIに奪われることはないでしょう。

 

 とはいえバーテンダーとAI、これからの時代には活用の幅も広がるでしょうから、そのあり方について研究してみるのも面白いかもしれません。それはまた、別の機会に。