バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

ハイランド③ ダルモア蒸留所

f:id:vagrantbartender:20190511105018j:plain

 Dalmore ダルモア

エリア: 北ハイランド
創設年: 1839年
所有者: UBグループ 社(ホワイトマッカイ社)
仕込み水: アルネス川

 

 ゲール語で「広大な湿地」「広大な草地」を意味するダルモア蒸留所は1839年、東インド会社を祖とし、日本においてはトーマス・グラバーで有名なジャーティン&マセソン商会の共同経営者、アレクサンダー・マセソンによって建てられました。

 1867年に地元の農夫であるマッケンジー兄弟が入手しましたが、ホワイトマッカイを産んだジェームズ・ホワイトとチャールズ・マッカイの共通の友人であったため、その関係から長きに渡ってホワイトマッカイの核となるモルト原酒となっていました。

 第一次世界大戦中は連合国に接収され、熟成庫で対潜水艦用の機雷の最終調整をしていたという逸話が残っています。これはドイツのUボートの脅威に対抗するため、10万発の機雷で北海を封鎖しようとするもので、そのためアメリカから機雷を輸入し、最終組み立てをこのダルモアとインバネスのグレンアルビン蒸留所で行われたということです。北海に近く、そばに良港があるのがその理由です。

 1960年代にダルモアとホワイトマッカイ社は合併しましたが、マッケンジー家との関係は切れることなく、一家の代表が最近まで同社の役員を務めていました。

 2007年にインドのUBグループが同社を買収し、現在のオーナーとなっています。

 ダルモアといえば大きな牡鹿の紋章が印象的ですが、これは1263年、時のスコットランド国王アレキサンダー3世が牡鹿に襲われそうになった時、クラン・マッケンジーの勇者が命を救ったことがあり、それ以来マッケンジー家が牡鹿の紋章を使うことが許されたということに由来しています。