バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

アイランズ② スキャパ蒸留所

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 Scapa スキャパ

エリア: オークニー諸島・メインランド
創設年: 1885年
所有者: ペルノ・リカール社
仕込み水: 背後の丘の泉

 

「スキャパ」とはヴァイキングの言語であるノース語で「ボート」の意味。ハイランドパーク同様オークニー諸島のメインランド島、カークウォールの街にありますが、ハイランドパークが高台にあるのに対してスキャパはそれより南に下ったスキャパ湾に面した場所にあります。そのため、2019年1月現在ではの所スコットランド最北のウイスキー蒸留所はハイランドパークということになります。

 ※オークニー諸島よりさらに北のシェトランド諸島アンスト(ウンスト)島にシェトランドリールという蒸留所があり、ウイスキーも生産しているようですがごくわずかで、メインはジンのようです。従って今の所ウイスキー蒸留所としてはほとんど知られていません。

 公式な創業は1885年ですが、御多分に洩れず、それ以前より密造が行われてきました。そこで知られているのが、17世紀にあったと言われる風習。村の教会にはカークウォールの大聖堂を建てたノルウェー王、聖マグナスの大杯があり、村にやってくる新任の牧師は大杯に注がれたウイスキーを飲まされるという儀式?があったそうです。
 牧師がそれを一気に飲み干すことができれば在任中に村は大いに栄えるといって村人は喜んだと言います。まるで新人いびりのような儀式ですが、確かに大酒を飲める気概のある奴なら村の牧師として認めてやる、みたいな雰囲気はヴァイキングの村らしいという感じもします。それに相応しい人材が派遣されたか、それとも立場の弱い牧師が島流しのような形で来させられたのか、が気になるところです。なーんか、後者のような気がするんですけどこれは憶測です。

 またスキャパの特徴としては初留釜が円筒形のローモンドスチルと呼ばれるものであること。

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スキャパ蒸留所のローモンドスチル

以前はグレンバーギ蒸留所、ミルトンダフ蒸留所にもありましたが現在は使用されておらず、ここの他ではブルイックラディ蒸留所で「ボタニスト」というジンを蒸留するのに使われているものだけです。そしてスキャパのローモンドスチルは中に入っていた仕切りが取り外された独自のもので、これがハーブのような複雑な風味の原因とも言われています。

 

参考文献