バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

アイラ⑦ ブルックラディ蒸留所

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 Bruichladdich ブルックラディ

エリア: アイラ島
創設年: 1881年
所有者: レミー・コアントロー社
仕込み水: ソラン川の湧き水

 

 ゲール語で「海辺の丘の斜面」を意味するブルックラディ蒸留所は1881年、インダール湾を挟んでボウモア蒸留所の対岸に見える場所に有名なブレンダーであったハーヴェイ社のハーヴェイ兄弟によって建てられました。

 長い間経営が安定せず、これといった特徴のないまま細々と営業を続けてきましたが、1980年代〜1990年代半ばまでのウイスキー不況のあおりをうけて経営はさらに悪化。1994年にインバーゴードン社からJBB社に売り渡されましたが、その直後に生産が中止され、売りに出されてしまいました。しかも設備が古く荒れ放題になっていたため、5年以上買い手がつかない状態でした。

 この窮状を救ったのがボトラーズのマーレイ・マクダビッド社と、元ボウモア蒸留所のブランドアンバサダー、ジム・マッキューワン氏でした。そうして2001年の再開以来、快進撃とも言える巻き返しが始まります。

 まずブルックラディ蒸留所はヘビーリーピーテッドの「ポートシャーロット」、蒸留所の名を冠しライトでノンピートの「ブルックラディ」、そして最強のピートを目指した「オクトモア」というコンセプトの異なる3種のブランドを相次いで立ち上げます。

 そして原料となる二条大麦は全てスコットランド産。26の契約農家があり、そのうち14はアイラの農家だといいます。そうすることで、ウイスキーの生産にもテロワールの考え方を導入するとともに、このボトルは〇〇という畑で作った、どういう品種の大麦が使用されているとラベルに表記できるようにするトレーサビリティーも備えようと試みています。

 今となってはアイラ島のみならず、スコットランドでも最も先進的な考え方を持つ蒸留所の一つと言ってよいでしょう。

 

参考文献