バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ㊼ トーモア蒸留所

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Tormore トーモア

エリア: スペイサイド スペイ川中・下流域
創設年: 1958年
所有者: ペルノ・リカール社
仕込み水: アクボッキー川

 

 ゲール語で「大きな丘」を意味するトーモアですが、これにはちょっとした思い出があります。バーテンダーになって間もない頃の話。私はもちろん、数年勤めている先輩や同僚も店に置いてあるお酒以外はあまり知識がない状況でした。そのお店は電話で発注をしていたのですが、「ボウモア12年」を頼んだつもりが、翌日届いたのは「トーモア 12年」。「何これ?ボウモアの偽物??」などと言っていた覚えがあります。はるか昔の話ではありますが、トーモア の方々にとっては失礼な話だなあ(苦笑)と思ったりしています。

 さて・・・トーモア蒸留所の創業は1958年と、スペイサイドでは20世紀に入り初めて建設された蒸留所です。元ロイヤル・アカデミー会長のサー・アルバート・リチャードソンが設計した蒸留所の建築学上の評価は高く、また「トーモア物語」という18分の短編映画も作られたといいます。

 20世紀創業の蒸留所らしく、設備は近代的ですが、製法はあくまで伝統的なものを踏襲しています。それでも創業当時は20世紀最初ということで伝統的なものが作れるのかどうかを危ぶむ声もあったといいますが、それが杞憂であったことをトーモアは証明しています。

 

参考文献