バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ㊺ マッカラン蒸留所

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Macallan マッカラン

エリア: スペイサイド スペイ川中・下流域
創設年: 1824年
所有者: エドリントン・グループ社
仕込み水: スペイ川の伏流水

 

 日本国内においては「シングルモルトのロールスロイス」としてあまりにも有名なのがこのマッカランですね。それもそのはず、日本へ輸入されるシングルモルトではグレンフィディックやグレンリベットを上回るナンバーワンの出荷量となっています。

 マッカランといえば使用するシェリー樽に徹底したこだわりを持っていることを語らないわけにはいきません。シェリーの産地であるスペインのボデガ(シェリー生産者)と独自に契約を結び、樽に使う木材の選定から管理をしています。

 具体的にはスペイン北部のガリシア地方のスパニッシュオークの原木を選び、それを1年間天日乾燥。そしてシェリーの産地である南部のヘレスに運んで、もう1年天日乾燥。合計2年の天日乾燥を施した上で製樽会社に製造を依頼しています。

 熟成にはドライオロロソという種類のシェリーが用いられ、2、3年の熟成ののちスペイサイドに運ばれ、蒸留されたばかりのマッカランの新酒が詰められます。ここまでに要する期間が4〜5年。そしてウイスキーの熟成に入るので、最低でも16年ほどの年月がメイン商品である「マッカラン12年」のために費やされていることになります。

 

 そしてもう一点特筆すべきは、2018年5月に、3年6ヶ月の工事期間を経て新生マッカラン 蒸留所がオープンしたことです。総工費は1億4000万ポンド(約210億円)。旧マッカラン蒸留所の21基に対し、新生マッカラン蒸留所は36基。約30%生産能力がアップしています。とはいえ蒸留釜の容積や形状は旧来ものを完全にコピー、変わらない味が提供できるようになっています。

 上の写真が新生マッカラン蒸留所。屋根が丘のように盛り上がり、波打っていることが特徴です。そして屋根に複雑な木組みをあしらうことで、どこにも柱がない作りとなっています。

 下の写真はイースターエルヒーズというマッカラン蒸留所を象徴する18世紀の領主の館ですが上下を比べるとまさに隔世の感を覚えずにはいられません。

 

 まさに最新鋭、最大規模、最高級のブランド。新生マッカランの今後が非常に楽しみです。ビジターセンターもこの夏オープンしたとのことで、ぜひ訪れてみたいものです。

 

参考文献