バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ㊱ ベンリネス蒸留所

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Benrinnes ベンリネス

エリア: スペイサイド スペイ川中・下流域
創設年: 1834年
所有者: ディアジオ社
仕込み水: スカーラン川とローワンツリー川

 

  ベンリネス蒸留所は最初1826年、現在の位置から1キロほど南東にあるホワイトハウス農場に建てられましたが、1829年の大洪水で流失。1834年にジョン・イネスによって現在の場所に再建されました。

 名前の由来はそばにあるベンリネス山。スペイサイド の最高峰(標高840m)として知られています。ちなみにスコットランドおよびブリテン諸島の最高峰がベンネヴィス山。同名のウイスキー蒸留所も存在します。

 1864年のデイビッド・エドワードによる買収を経た後、19世紀末からのウイスキー不況により経営が悪化。1922年にジョン・デュワー&サンズ社に買収され、1925年からはDCL社の系列となり、現在までそのままディアジオ社の傘下となっています。

 1955年〜56年にかけて生産効率を高めるために古い建物は取り壊され、新しい近代的な建物に生まれ変わりましたが、これがどうも不評なようで、ウイスキージャーナリストのチャールズ・マックリーンは著書の中で「不幸なことに、その近代的な建物は周囲の美しい景観とはそぐわないものになってしまった」と評しています。

 確かに写真をみるとスコットランドなのに「昭和の工場!」という感じがしますね・・・。これは私の推測ですが、1960〜70年代に建てられたブレイヴァルやオスロスクのような蒸留所が「修道院のような伝統的建築をモチーフとするけれども、中身は最新鋭」となっているのは、このベンリネスの不評を受けてのことなのではないかと思っています。

 さらに蒸留方法が特殊で、こちらもモートラックやスプリングバンクのようにもろみの一部を3回蒸留するシステムを採用していて、モートラックと同様「ディアジオの異端児」と呼ばれています。

 

参考文献