バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ㉞ アベラワー蒸留所

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Aberlour アベラワー

エリア: スペイサイド スペイ川中・下流域
創設年: 1826年
所有者: ペルノ・リカール社
仕込み水: ベンリネス山中腹の泉

 

 こちらも私が好きなスペイサイドモルトの1つです!濃厚さと優雅さが良いバランスで調和してまして、香りも華やか。マッカランよりも女性的で気品を感じます。

 

 アベラワー蒸留所は1826年、ジェームズ・ゴードンとピーター・ウェアによって密造所の集まるアベラワー村に建てられました。密造者たちがウイスキー作りに使っていたのは聖ダンスタンの井戸水で、これは彼がピクト族を洗礼する時に用いられたとされています。当初はアベラワー蒸留所でもこの泉から仕込み水を引いていましたが、涸れてしまったため現在はベンリネス山の中腹の泉の水を使用しています。

 ところが1986年にアベラワーが国際ワイン&スピリッツ大会で金賞を受賞した際にこの聖ダンスタンの泉から一時的に水が湧き出たという逸話が残っています。

 蒸留所の現在の建物は1879年の火災後に再建されたもので、チャールズ・ドイグが設計したヴィクトリア朝様式です。1945年に拡張された後、1974年にはフランスのペルノ・リカール社に買収され、その際に近代的な設備が増設されました。

 比較的早くからフランス資本の傘下にあったためか、アベラワーはフランスで非常に人気がありました。現在は世界的な人気も上がり、シングルモルトでは世界のトップ10に入るようになってきました。

 それからユニークな逸話として、かつて倉庫主任だったフレイザー氏が熟成庫で眠るウイスキーに子守唄代わりにバグパイプを演奏して聞かせていたということです。これが味に影響するかどうか定かではわかりませんが、作り手の愛情が感じられるお話だと思います。

 

参考文献