バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ㉙ モートラック蒸留所

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Mortlach モートラック

エリア: スペイサイド ダフタウン地区
創設年: 1823年
所有者: ディアジオ社
仕込み水: ジョックス・ウェルの泉

 

 モートラック蒸留所の特徴は大きく2つあります。ひとつはスペイサイド最古の蒸留所であること、もうひとつは「ディアジオ の異端児」の異名をとる特異な蒸留方法です。

 

 モートラックとはゲール語で「椀状の窪地」の意味で、西暦1010年にスコットランド王マルコム二世が北方から侵入してきたデーン人と戦った古戦場でもあると言われています。

 1823年の創業以来約100年の間は何度もオーナーが変わり、その度に生産と休止が繰り返され、中にはグレングラントのグラント兄弟が所有していたこともありますが、そのグレングラントを建設するためにモートラックを売り払ったという逸話もあります。

 1923年にはジョン・ウォーカー&サンズ社の所有となり、それ以来ジョニーウォーカーの原酒となっています。

 

 さて製造方法についてですが、1897年にもともと3基だった蒸留器が6基に増設され、それぞれがバラバラの形や大きさで、通常見られるように初留と再留が対になっていません。この設備を使って、スコッチでは通常2回蒸留のところを一部の原酒について3回蒸留します。2.81回蒸留などとも言われます。そのため豊かで複雑なコクをもたらすとともに蒸留工程は非常に複雑であると言われ、職人でもシステムを理解するのに半年かかると言われています。

 現在はディアジオ 社の所有で、1990年代には花と動物シリーズの16年物が発売になり、今では入手困難になっていますが、近年またオフィシャルのボトルがリリースされ、幾分高価ではあるものの、比較的手に入りやすくなっています。