バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ⑱ インチガワー蒸留所

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Inchgower インチガワー

エリア: スペイサイド バッキー地区
創設年: 1871年
所有者: ディアジオ社
仕込み水: メンダフヒルの泉

※UD社(現ディアジオ 社)「花と動物シリーズ」のひとつ。

 

 キース地区も終了しましたので、今回はバッキー地区のインチガワー蒸留所です。地区といっても実はこのインチガワーのみですので、バッキー=インチガワーです。どうしてもマイナー地区のマイナー蒸留所のイメージが・・・一応親会社はディアジオ社なんですし、「花と動物シリーズ」のひとつであるものの、どうも影が薄いですね。

 さてバッキーという街は古い漁港ですが、街を見下ろす高台にインチガワー蒸留所は建てられました。Inchはゲール語で「島」「川のそばの草地」、gowerは「山羊」という意味らしいのですが、このあたりには牧草地こそあれ、野生の山羊はいないそうです。

 少し変わったエピソードとして、インチガワーは1936年〜38年にかけて、バッキーの町議会の所有になっていました。つまり町営の蒸留所ということです。個人や私企業ではなく自治体が蒸留所を所有するというのは非常に珍しいパターンで、後にも先にもなかなか見られません。

 その後はブレンデッドウイスキーである「ベル」の原酒確保のためアーサー・ベル&サンズ社に買収され現在はディアジオ 社の系列となっています。

 日本においては「ベル」の人気もあまりないので、かなり馴染みは薄いと思われます。バーでもおいているお店は少ないかもしれません。酒屋さんでは容易に手に入るで、日本で人気のブレンデッドに飽きた方や、天邪鬼な方にはオススメの一本と言えるかもしれません。

参考文献