バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド⑬ オルトモア蒸留所

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Aultmore オルトモア

エリア: スペイサイド キース地区
創設年: 1897年
所有者: バカルディ社(ジョン・デュワー&サンズ社)
仕込み水: フォギー・モスの泉

 

 ベンリネス蒸留所の当時のオーナー、アレクサンダー・エドワードが経営拡大の一環として1897年に創業。さらに翌年には西ハイランドのオーバン蒸留所も買収して手を広げるがその後経営が悪化。1923年にジョン・デュワー&サンズ社に買収され、さらに1925年にはDCL社(ディアジオ 社の前身)の傘下となる。

 味はスペイサイドらしい華やかでかつ爽やかな風味が持ち味ですが、それ以上に特筆すべき点はは蒸留所として蒸留後の廃液処理の技術革新にあります。糖液排出後のマッシュタン(糖化槽。粉状にした大麦麦芽にお湯を加え糖化を促す設備)の搾りカスと蒸留後のポットスチル内の蒸留廃液の処理は蒸留所の運営の裏側に常にある問題でした。いずれも高タンパクで家畜の飼料としては重宝されていましたが非常にかさ張るため輸送・貯蔵の面でコストがかかりすべてを処理はできていませんでした。そこでオルトモア蒸留所は搾りカスと蒸留廃液を乾燥・圧縮させることでかさ張りを解消しました。これをダークグレインと呼んでいます。

 ダークグレインが開発されたのが1952年ですが、それ以来ほとんどの蒸留所がダークグレイン製造工場を併設するか、グループで共有の工場を用いるかの方法がとられるようになっています。