バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

バー化する世界。

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バーカ m9(^Д^) する世界ではありません念のため。

「世界」はちょっと言い過ぎたかもしれません。「日本」くらいでいいかも?
まあ世界の方がカッコいいので世界にしておきましょう。

 

昨今Twitter界隈で気になっていることがあります。

 

と、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が「絵画や高級車を購入することは世界平和に繋がる」とする考えへの反対意見に対し、引用リツイートを用いて説明をしています。

そうしたら、

 

と脇から言う方がいるんですね。
世界平和に繋がるかどうか、その考え方や手段の是非は色々な考え方があるので一度脇に置いておくとして。

 「反対論者をさらす攻撃性」
ってなんだろう???と思います。

 他にも「吊るし上げ」という言葉も使われていました(吊るし上げではない、という文脈ですが)。見せしめといっても良いのでしょう。

 

しかし、そもそも意見を述べるとは、対等にリングの上、舞台の上に立つことでもあります。

 

 リングの上に立っていない人間の言うことなんか、ただのヤジ、雑音なわけですから気にも留められなくて当然です。わざわざ引用リツイートをするということは「この人の、こういう意見に対して言葉を発している」との表明に他なりません。ところがリングの上の人としての扱いをされた途端に「晒す」「吊るし上げられる」となるのは、卑怯だと言わざるを得ません(上の例では最初に意見をした方と「晒す」という言葉を使った方は別の人間ですが・・・たぶん)。

 自分はリングの外という安全な所にいて、リングの中の人を攻撃だけしたい。

以前はそれができる世の中でした。今もできます。

・・・TwitterをはじめとするSNS上でなければ。

 TwitterなどのSNS、ブログなどによって、影響力を持たない一般人でも、住む世界が違うと言える「有名人」に対して直接コメント等を届けることができるようになりました。かたや実名顔出し、かたや匿名カオナシ(私もです)。もし誹謗中傷を書いても、余程のことが書いていない限り罰せられることはない。一人(もしくは数人)の有名人 vs 無数の一般人という構図になったりもするため、いちいち相手にはしていられない。

 そのため、以前なら一方的に有名人の方が対応に追われる形になったり社会的・精神的ダメージを受けたりすることが殆どでしたが、最近はその傾向が変わってきているように思います。

 

 

 

少し前には、

 

abematimes.com

 というように、訴訟問題になる場合も出てきています。顔が見えないから何を言ってもいい、とはならなくなってきているということですね。

 

 こういう問題が頻発することもあってか、ネット社会はどんどん情報が二極化していく傾向にあるようです。

 ・影響力のある人(≒有用な情報を持ち、なおかつその発信力がある人)は自ら有料のオンラインサロンを立ち上げ、それに参加・追随する人間にのみ有用な情報を発信していく。それ以外には雑多などうでもいい情報しか伝わらない。

 ・本当に積極的にその人の発信する情報が欲しいひとだけに受け取って欲しいから、課金することで情報を受信できるようになる(noteの課金など)。課金ブロックというらしいです。

 

 こうした傾向を見たときに、おや?とバーテンダーは思うわけです。

 

 これはリアル世界でバーが古来からやっていることだ・・・!

 

 もちろんバーにもいろいろありますが、お酒を扱うところとしてはパブ、居酒屋よりもクローズドな空間であり、敷居が高いです。そして良い情報を持っている人が集まることが多いです。

 そして敷居の高さ、価格の高さによってその情報が変わってくる傾向もあります。

さしずめ、月会費や年会費のバーがオンラインサロン、チャージ高めのバーが課金制を敷いているバーと言ったところでしょうか。

 バーは他のお酒を出しているお店に比べれば単価が高いところが殆どですし、チャージが一人1000円を超えるお店も珍しくありません。だから「なんでたかだか酒がこんなに高えんだよ!」とお金を出してお店に来なければそういう情報が入ってくることはありませんし、ましてやお店のアンチや興味のない人は良い情報の入り口にすら立てないわけです。

 良い情報とは何か。
 別に「〇〇の株を買っておけば儲かるぜ」とかそういう類の話だけではありません。「貴重な経験談」「世には知られていない裏ルート」「まだ世に知られていない情報」「人脈」「尊敬できる人」「社交場における立ち居振る舞い」などが良い情報と呼ばれるものの正体です。

 あたかもオンラインサロンに属している人としていない人のごとく、どこかのバーのコミュニティに属している人としていない人とでは、まるでもたらされる情報の質が違うと言えます。

 そもそもなんですが、「サロン」(Salon)という言葉自体が「社交場」の意であり、その派生語が「サルーン」(Saloon) =酒場、広場というわけで、オンラインサロンとバーが似た傾向を持つのは必然なのかもしれません。

 反対に悪い情報もあるでしょう。上司の愚痴、会社への不満、世の中への不満、家族への不満、成功者への嫉妬、同性への嫉妬、粗野な振る舞い、などなど・・・。正直これらは「安っぽいお店」(≠安いお店)に溢れかえっています。自らお金や勇気を出して足を踏み入れずともそこらじゅうにある空間。大衆的な場ですから、どうしても利用する人は多く、いつのまにかその悪い情報に毒されていきます。かくいう私も大衆の一人ですからそういう場に行かないわけではありませんが、悪い情報に対してはできる限り耳を塞ぐようにしています。

 

 なお、バーのようなクローズドな空間では有名人に対する攻撃も堂々と行われる場合があります。というのもお客様同士が誰かの悪口を言っていて、それがその場にいる誰かの気分を害するような内容の場合、同じような傾向にある有名人を引き合いに出して有名人の悪口を言わせるというやり方があります。もちろんその有名人本人やその知り合い、ファンがいないというのが前提となりますが。
 多くの人にとって有名人とはメディアの中だけの架空の人物のようなものなので、具体的な知り合いの悪口よりはただのゴシップ騒ぎのようになり、傷つく人が少なくなるというわけです。

 

 ただし、SNSの場合はこうしたことが有名人本人の目に触れてしまうため「架空の人物」のようにはできないというのが、前半に書いた内容です。

 

  これからの世界はこういった傾向は強まっていくように思います。情報格差、教養の格差は広まるばかり。情報とは、心の食べ物です。腐った情報ばかり食べていると、心身に異常をきたします。周りの人が同じ症状なら、異常と気づかないこともあるでしょう。バーを訪れるということは、その異常事態に気づくきっかけとなることかもしれません。バーの狭い空間には、良い情報が凝縮された世界が広がり続けています。