バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

スペイサイド ⑩ ミルトンダフ蒸留所

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Miltonduff ミルトンダフ

エリア: スペイサイド エルギン地区
創設年: 1824年
所有者: ペルノ・リカール社
仕込み水: ブラック・バーン

 

 ミルトンダフ蒸留所はエルギンの中心街から5km南西にありますが、周辺環境には非常に恵まれています。

まず、その一帯はイギリスで最も良質の大麦が育つと言われている穀倉地帯で、さらにブラック・バーンと呼ばれる良質の水からなる小川があります。蒸留所の近くには1236年に建てられたと言われるプラスカーデン修道院があり、古くからベネディクト派の修道士がエールを作ってきたと言われ、近くの畑で採れた大麦とスコットランド随一という評判だったそうです。また蒸留酒も作っていたようなので、かなり古くからウイスキーづくりの下地のある土地柄といえそうです。

 そんなブラスカーデン修道院が所有する製粉所を改修してミルトン蒸留所となったのが1824年。ファイフ白ダフ一族によってその土地が所有されるようになって以降、ミルトンダフと呼ばれるようになりました。

 1936年にはカナダのハイラム・ウォーカー社によって買収され、参加のジョージ・バランタイン社が蒸留免許を取得して以降はブレンデッドウイスキー、バランタインの主要原酒「バランタイン魔法の7柱」のひとつとなっています。

 また1964年に2基の「ローモンドスチル」が導入され、「モストウィー」という名で販売されましたが1981年にローモンドスチルは撤去、「モストウィー」は幻の酒となっています。

 ※ローモンドスチルとは
 ハイラム・ウォーカー社が開発した円筒形の蒸留釜(釜というべきか・・・?)。中に3段の仕切り板があり、それぞれの仕切り板には無数の穴が開けられている。これは連続式蒸留器と似た仕組みといえます。 

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特異な形状のローモンドスチル。写真はスキャパ蒸留所のもの。



 モストウィーも幻ですが、メインのミルトンダフもシングルモルトはあまり流通していません。ゴードン&マクファイル社でリリースしているボトラーズものをたまに見かける程度でしょうか。少しレアなお酒のひとつといってよいでしょう。