バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

ウォッカについて

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はい、また更新が滞ってしまいました。いかんですね。

 

今回はウォッカについて!

正直ウォッカについてはなかなか書きづらかったんですよね。
特徴がないのが特徴なので。

しかしそれゆえに、優れたカクテルベースとして活躍します。
ジン同様、ロックやストレートで飲むのが好きな方もいます。

その一方で、ジンやラムと違い常温ストレートはあまりお見かけしません。

現在のところは冷やして飲むのが主流と言えそうです。

 

ウォッカとは

12〜14世紀頃のロシアを起源とし、旧ソ連圏の諸国やポーランド、スロヴァキアなど中欧、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドといった北欧で作られています。

主に小麦やライ麦、じゃがいもを原料として糖化・発酵・蒸留をして作られていましたが、18世紀後半に新大陸からトウモロコシが入ってくるようになると、トウモロコシも使われるようになりました。また1810年にはサンクトペテルブルグの薬剤師アンドレイ・アルバーノフが炭の吸着作用を発見し、ピョートル・スミルノフがウォッカの製造に活性炭濾過を採用することで、クセのない酒質を確立しました。以来ウォッカは蒸留後活性炭で濾過することが通例になっています。

 

ウォッカの味

 ウォッカはクセのないお酒なので、なかなか味を語ることは難しいです。もちろん銘柄ごとに特徴はあり少し甘みを帯びたものからスッキリしたものまでありますし、アルコール度数によっても印象は変わってきます。しかし他の蒸留酒に比べると、違いは微妙なものであると言わざるを得ません。度数40%なら4割アルコール、残りはほぼ水ですので、しばしば原料由来のアルコールの味を楽しんでいると言われることがあります。しかし一口にアルコールといってもエタノールをはじめ様々な種類に分類されます。

 ・エタノール(アルコール香)
 ・n-プロパノール(アルコール香)
 ・n- ブタノール(アルコール香)
 ・i-ブタノール(アルコール香)
 ・i-アミルコール(アルコール香、バナナ様、甘い芳香)
 ・act-アミルコール(アルコール香、バナナ様、甘い芳香)
 ・n-ヘキサノール(ココナッツ様、青葉様)
 ・β-フェネチルアルコール(ローズ様、甘い芳香、化粧品香)
 ・2,3-ブタンジオール(温和な甘味)

 

原料や使用する酵母、蒸留の仕方によってこれらの組成が変わってくるため、ウォッカの味に違いがでてきます。

 

 スピリタスについて

 ウォッカといえばこれに触れておいた方が良いかもしれません。言わずと知れた?世界最強のお酒スピリタス。アルコール度数96度。ポーランドのお酒です。
 テキーラ同様調子付いた方々に人気?ですが、テキーラより危険性ははるかに上ですので決して一気飲みなどなさらぬようお願いします。

 

 そもそも、そのまま飲んでも別に美味しくない(苦笑)

 

 ではなぜこのようにバカみたいなアルコール度数のお酒が作られたのか。東欧の方々、特にポーランドもウォッカの国ですから物足りなくて作っちゃった!・・・なんてことはありません。

 果実酒を作るのが一番の目的で、アルコール度数が強い方がより効率的に果実のエキスをお酒に取り込むことができ、また保存性も高くなります。少量でも度数が高いのでソーダなどで割ったときにもしっかりコシのある味になります。そして少量のベースで沢山杯数が取れるので経済性も良いです。

 また、消毒用アルコールとして使われる事例もあるそうです(笑)

 そしてポーランドではストレートで飲む習慣は全くなく、ストレートで飲む人はバカ扱いをされるそうです。まあそうですね。

 

 このように過激なスピリッツなのでバーの方針により置いてあるところとそうでないところがあると思います。基本的にあまり出したいお酒でもありません。さほど高い金額を請求できるお酒ではなく、また過度に酔っ払ってしまえばそれ以上の売り上げは見込めなくなります。そしてトラブルのもとになるのが目に見えていますから。しかも最悪死亡事故や火事を招く危険性もあります。扱い方を考えないとお店側にとってロクなことにならないのです。

 果実酒を作る以外でのバーでの使われ方は「アルコールの底上げ」でしょうか。一般的なレシピにスピリタスをちょっとだけ足す。そうすることによってパンチのあるカクテルができたりします。それでもやはり調子に乗って足しすぎない様にしましょう。スピリタスでウォッカトニックを、ということもあるんですが、パンチがあるというだけでもともとが別に美味しいウォッカではないので、美味しくはなりにくいですね。

 

スピリタスじゃなくても

 最高に強いお酒=スピリタスですが、スピリタスが有名すぎて、それ以外の最強クラスを知らない方は多いと思います。いろいろありますが、おすすめをひとつご紹介しておきます。

 

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ドーバー・スピリッツ88。

日本産のウォッカです。アルコール度数88度。

これ美味いんですスピリタスと違って。

試しにストレートでも飲んでみましたが、想像より全然飲みやすい。結構甘味を感じます。ヤバイと思いました。88度は88度ですから。

なので、20cc程度をトニックウォーターで割るのがオススメです。

蒸留酒をロックで飲むのが好き、というくらいにお酒が強い方にはぜひお試しいただきたいと思います。