バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

先日バーで見た光景(奢り方、奢られ方)

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 ジンについて書いている途中でしたが、先日のお休みにとあるバーに行った時に目にした光景が印象的でしたので本日はそれについてです。以前バーのマナーについて書いたことに当てはまることが多かったので。要はツッコミどころ満載の案件に出くわしたということですね(苦笑)

  私が入店した時そのバーは満席近くで、私はカウンターの中ほどの空いているひと席に通されました。左隣に男女のカップル?右隣に常連さんグループ。

 ひとりで訪れたため、バーのスタッフと会話をしつつも、周りの会話も結構聞こえてきます。まあこのあたりは職業病的なところもありますが…。

 左隣のカップル?はどうやらカップルではなく、お互いにこのお店にはたまに来るけれども会うのは初めてのようでした。私も初めてお目にかかります。でも二人で話しているようだったので特に話しかけたりすることはしません。

 キャッシュオンデリバリーのお店なので1オーダー毎に代金を支払うのですが、どうやら途中から左隣の男女の男性のほうが女性に奢り始め、結構な杯数になっているようです。

 それ自体は正直珍しくもなんともない光景です。男性は奢りたくて奢ってるのですし、女性側も恐縮している様子はあれど特に嫌がっている様子はありませんでしたが・・・

 その男性の発する言葉がまずかったです。何杯も奢られて恐縮している女性に向けて、「払える人間が払えば良いのだ、自分は稼いでいるから大丈夫だ」と。そしてそれはどうもこの女性を口説き落としたいニュアンスが含まれているようでした。

 シチュエーションによっては至極真っ当なことなので批判を招くような言葉や考え方ではありませんし私も意見としては同調しますが、ただ、バーという場で女性に奢りながら言うことではありませんね。同じ考え方であろうと、それを口にするのとしないのでは全く話が違います。

 つまりこれは【嫌われるお客様】の「金持ちアピール」にあたります。

 

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 例えば芸能人でいうと叶姉妹東貴博のように金持ちキャラが定着している人や、「結婚相手に求めるものの最下位:経済力」とした宇多田ヒカルのように普通に考えたら誰がどう見てもそりゃ金持ってるに決まってるだろと思える人でない限り、金持ちアピールは他人を不快にさせますし、不要な嫉妬を買うという点でアピールした本人にもメリットはありません。そう、金持ちアピールで羨望や尊敬、他からの承認を得ることはできず、得られるのは嫉妬、それからくる過小評価、侮蔑といったネガティブなものばかりです。

 バーにおいても金持ちと認識されることで開かれる関係性やコミュニティも確かにありますが、わざわざ直接的な言葉でアピールした結果そうなることはほぼないと言ってよいでしょう。

 

 さらに悪いことには、その男性がまだ若者だったということです。あとで知ったところによると、24歳で会社を経営しているそうです。もちろんそれ自体はとても立派なことです。しかし年齢は関係ない、払える奴が払えればよいとのことですが、やはり年齢はある程度関係あるのです・・・奢る時や、それをいちいち口に出す場合は。

 同じ会社経営者でも、あるいはサラリーマンの平社員だったとしても、そこそこ歳のいったオジサンが同じように「払える奴が払えばいいんだよ」というのとはやはり周りの受け取り方が違ってきます。

 つまりここでその男性は、上記の記事の中の「会社での立場をそのままバーに持ち込んでしまう」をやっていることがわかります。会社経営者だろうとなんだろうと、バーにくればただの若者として見られる。むしろバーはそれがよいとおじさん以上の経営者の方は社長扱いされない場を求めていらっしゃったりするわけです。しかしその若い男性はなかなか鼻につく方法で社長アピールをしてしまった。もろに若さと言いますか、経験不足が露呈したなあという気がしました。

 

 そして残念ながらもっと悪いことが。

 私の左隣がこの男女だったのですが、反対側、右隣の常連さんグループがどういう方々だったかというと・・・自分の医院を経営されてるお医者様、なんですよね(汗)。それに、バーのマスターも繁盛店の経営者ですから、その男性より儲かっていることも考えられます。たまたまお店の中が騒がしく、またそれぞれのグループで別々に盛り上がっていたのでどうということはありませんでしたが、もし静かな場であったりカウンターに横のつながりが生まれた場であったら、この若い男性の言動は失笑モノだったということです。

 結局、彼の口説きはあえなく失敗、バーのスタッフから帰るように促された女性は終電で帰って行きました。せめて、幸い会社がうまくいってるからとか、部下やお客様に恵まれて、とか例え嘘でも言っておけば彼の評価もあがっただろうに・・・奢る時に大事なのは、「奢る」と書くからこそ「謙虚さ」なのではないでしょうか。

 

 奢るなら黙って奢れ

 何が言いたいかというと、結局こういうことですね。奢るならアピールしたり恩を着せることなく、ただ奢れ。よく会計は女性がトイレに立ってる間に済ませろなどと言いますが、私はそれに賛成の立場です。そしてこれはキャッシュオンデリバリーのお店では難しいですが、自分が先に帰る際に今まで話をしていた相手(男女問わず)に内緒で「この人の分も自分の勘定につけといて」ということがあります。耳打ちされたり、ジェスチャーだったり、やはりトイレに行った隙だったりと、いろいろありますが、バーテンダーをしているとそういう場面には何度も目にします。そして奢られた方がお会計を頼む時にそれがわかって「えー?うそーー!?」となるわけです。これはカッコいいですね。バーのスタッフや周りのお客様は感心しきりです。連絡先の交換もしていなければ今度いつ会うかもわからない。つまり下心がない。奢る場合にはそれくらいのつもりで奢るべきだと思います。 もちろん、奢られた側は次に会うことがあれば真っ先に先日はありがとうございましたとお礼を言うのが最低限のマナーです。

 

 奢られる側にもマナーと経験値が必要

  と、若い男性の批判ばかりしたような感じですが、女性にも思うところはありました。それは、あまりにも知らない男性に無防備に奢られ過ぎだなということです。誕生日等の特別な冠がある時や、上司部下先輩後輩の関係以外で男性が女性に奢るのは基本的に2つの理由しかありません。

 「奢るのでやらせてください」

 「私との会話につきあっていただいてありがとうございます(楽しく会話ができました)」

 前者が若い経営者の男性、後者が「この人の分も自分の勘定につけといて」と先に帰った男性です。

 奢られる場合はその徐々にどちらかを見定めていく必要があるでしょう。女性側がその先に何を求めるかは人それぞれ、相手次第でしょうが、自分の求める、あるいは悪くないと思っている展開に合致しているかどうかを考えながら飲み進めていく必要があるのではないかなと思いました。ちなみに「自分の求める、あるいは悪くないと思っている展開」が何を意味するかというと、そのままホテルに行くところから下心を利用して奢らせまくるといったところまで様々ですが、今回の女性はその辺の「自分の意思」があまり感じられず若い男性に流されるままだったように見えたので「ちょっと大丈夫かな?」と思った次第です。

 

今回のまとめ

というわけで今回のまとめ!

 

 ・金持ちアピールは周囲のネガティブ感情を引き起こし、それが自分に向けられるので誰にとっても良いことなし

 ・年齢問わず、会社での立場をバーに持ち込むべからず。

 ・自慢をする時は自分の上をいく人間がその場にいるとただただイタイですよ。

 ・奢るなら謙虚に。何も言わずに黙って奢るのがよい。

 ・奢られる側も、相手が何を考えているのかに気をつけること。タダより高いものはない。

 

 今回は男女ともに経験不足なんだな〜と思える案件でした。
 そしてそんなことを思ってしまう自分も歳とったな〜と、地味に凹む夜なのでありました・・・とさ。

 次回こそジン!かな?