バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

バーって何人くらいでいくべき?

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※今回は1〜2人で営業しているような6〜15席程度の小さめのお店を対象にお話をします。大きいお店には以下の話は当てはまりません。 

 明確に規定しているお店は少ないものの、あまり大人数は避けた方がよいでしょう。
 一概には言えませんが多くても4名ではないでしょうか。

 もちろんそれ以上になったら遠慮すべきかというとそうでもありませんが、単純に空き席数の問題で入れない可能性が高くなってくるので事前に電話等で確認した方がよいでしょう。事前に情報があればその場にいるお客様に席を移動してもらうこともありますし、そろそろ帰ろうかと思っていたお客様が気を利かせて席を空けてくれるということもあるかもしれませんので。

 

 それでも人数は少なければ少ないほどよいと思います。
 というのも、人数が多くなってくるとどうしてもうるさくなりがちというのもありますが、一番の理由はバーの醍醐味が味わいにくくなることにあります。

 

 私の考えるバーの醍醐味とは、バーという空間を通してまだ知らない何か(酒、人、経験、知識など)に出会うことです。

 

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 しかし人数が多くなると、まずそのグループ内での会話が主になりますのでバーテンダーや他のお客様と話す機会はほとんどありません。バーテンダーも基本的には注文をとる時くらいしか話しかけませんし、お客様もあえてグループに割って入ろうとはしません。

 お酒も自分の頼みたいものを頼めるとは限りません。もしお会計が割り勘だったり上司や会社の支払いだとしたら自分だけ飛び抜けて高いものや安いものは頼みづらいでしょう。それに最初の一杯で他の人がビールなど比較的すぐ出てくるものを頼んでいるのに、自分だけ手の込んだものというのも頼みづらいです。

 これがもし接待であるとか、普段は一緒に飲まない方々との場、誰かが誰かをおもてなしするような場であれば雰囲気も重要ですが、日常的な仲間内の飲み会であれば雰囲気はそこまで重視されないはずです。


 会話は内輪のもの、でもお酒はなんとなく人に合わせて、雰囲気は良いに越したことないけど別に重要ではない…となると、別にバーでなくてもいいんじゃないか、となってしまいます。

 

 それが1〜2名であればそういうことは起きにくいです。2名程度であれば自分だけ手の込んだものを頼んだとしても影響は小さいですし、高いものを頼んだとしたら自分が多めに払えばよいだけです(3〜4名以上だとこの作業はややこしいものになります)。あるいは最初から伝票を別に付けてもらうのも有効です。

 ただし2名でカップルと思われる場合は、他のお客様から話しかけられる可能性はぐっと減り、バーテンダーの接客も最小限になると思われます。

 

 1名なら男女問わず断然話しかけられる率はあがります。話しかける、とは言いましたがもちろん自分から話しかけても全く問題ありません。「初めてなんでよくわからないんですけど〜、おじゃまします〜」みたいなノリでもよいでしょう。
 バーテンダー側としては1名のお客様をケアするというのが必須なので、積極的に話しかけてくるでしょう(もちろん付かず離れずの範囲内ですが)。

 

 私の個人的な意見としてもやはり1名をオススメします。

 これまでの内容の要約とも言えますが、1名と複数名での決定的な違いは「お店を目当てとしているか」と「同伴者を目当てとしているか」の違いです。1名の場合はそのお店のお酒やバーテンダー、常連客、雰囲気のいずれかあるいは複数をメインの楽しみとして来店していますが、複数名の場合は必ず1人以上の「同伴者」がいます。メインはその同伴者とのコミュニケーションとなり、お店のお酒やバーテンダー、常連客、雰囲気といったものは二次的なものとなります。お店の側もそれは暗黙の了解としてわかっているので相応の対応をします。そしてそれは必ずしもそのバーの魅力を十全に伝えるものではありません。同伴者とのコミュニケーションというメインの目的があるのに店側がしゃしゃり出る必要はないからです。

 もちろん複数名で行くのが悪いわけではありません。行き慣れたバーに知り合いを連れていくのも良いですし、あるいは初めて行く時に複数名で行ったほうが安心だということもあるでしょう。たまたま複数名ということも沢山ありますよね。

  しかしどこかのタイミングでひとりで行くということをしたほうが、そのバーの魅力や特徴には気付きやすいと思います。「ひとりでバーに行くのは寂しいひとみたいで嫌」という考えの方がいますが、それはまだバーにひとりで行く気楽さと楽しさを知らないからです。「ひとりだけど、ひとりじゃない」それがバーの魅力のひとつでもあります。