バーとお酒の入門講座

バー初心者の方を対象に、バーならではのマナーや楽しみ方、お酒に関する基本や雑学、豆知識を書いていきたいと思います。バーに興味はあるけれど、何だか最初の一歩が踏み出せない、そういう方の一助になれば幸いです。

はじめてのバーにいくとき

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初めてのバーに行くときは、誰しもがちょっと緊張します。

雑居ビルの中の一室の、中が見えない扉の中にあるようなバーは尚更ですね。

 いきなり飛び込んでダメということはもちろんありませんが、事前に情報収集をしておいた方が安心でしょう。

一番気になるのが価格帯。
そして内装などの雰囲気。
少し見落としがちなのが席数。

 

 これらの情報はインターネットを検索すれば大体は出てきます。
逆にそれらが出てこないようであれば、ちょっと上級者向け、情報収集は生の口コミによるものになってきます。

 

さて、価格帯と雰囲気に関しては説明の必要はないでしょう。それぞれのお財布事情やお好みに合わせていただければいいでしょう。

 

問題なのが席数。
何人座れるかということですが、これがネット上の情報だけでは判断できない雰囲気に大きく関わってきます。つまるところ、

 

席数によって「他のお客様との物理的距離感」が変わってきます。

 

 初めて訪れた店が満席に近い状態だったら、初めて顔を合わせる方と肘と肘がぶつかる、なんてこともあります。トイレに行くときや帰るときに「ちょっとすみません」と声をかけなければならなかったりもします。

 

 ただ、一概に席数が少なければそうなるかというと、そうでもありません。

一般には、席数が少なくて単価が高めのお店であれば一席あたりのスペースを広めにとってありますし、単価が安めのお店であれば狭くなるということです。

 目安としては6〜9席程度で平均単価が2000〜3000円台のバーは席が狭く感じると思います。もし席数が同程度で単価が5000円を越えるようであればある程度ゆったりできます。それ以上の単価の場合は席数に関わらずゆとりのある、少し贅沢な造りであることが期待できます。もちろん4名掛けを想定しているソファー席に5、6人で無理矢理座れば狭くはなりますが(そういう座り方を許さないお店もありますのでご注意ください)。

 

 さてこの「他のお客様との物理的距離感」をどう捉えるか。

安いお店=狭いことが多い=良くないお店
高いお店=余裕がある=いいお店

と、単純に考えることはできません。

 それぞれに表裏一体の長所と短所があります。
 例えば、狭くて隣のお客様に頻繁に「ちょっとすみません」と言うはめになるようなお店であったとしても、それがコミュニケーションの走りになることもあります。バーテンダーの方でも「狭くてすみません」ということができ、そこから会話が広がったりするものです。そして満席になったら狭くて居心地の悪そうなお店であってもお客様が入るということは、相応に魅力のあるお店であると見て取ることもできます。
 もし「ちょっとすみません」と言った時に露骨に嫌な顔をするような方がいれば、その店とは合わない方です。次に来たときに会う可能性は低いですし、もしそのような態度をする方を常連客として認めているのであれば、再度訪れる必要のないバーだと思います。大抵は狭さを楽しんでいる、あるいは狭いことによって生まれるコミュニケーション、お互いを尊重している気持ちを大切にするお客様が多いと思います。

 一方で席にゆとりのあるお店というのは、上記のようなことが生まれにくいということがあります。あくまで一組のお客様は一組のお客様、と見えない「仕切り」があるわけです。なのでなかなか隣の人と仲良くなる糸口が見つけづらいということがあります。もちろん、ひとりでいたい時や、連れの人間とだけで話がしたいという場合にはこの方が良いでしょう。カップルなんかはまさにそうですね。

 デートの時は席にゆとりのあるお店、ひとり飲みの時は狭いお店の方が自由に色んな方と話せる、などというように、その日のTPOによってお店を使い分けるのが良いでしょう。

 

 

 次に、振る舞い方の問題です。

 基本的には初めは受け身でいたほうがよいでしょう。
 そして謙虚な振る舞いをすべきだとも思います。必要以上に卑屈になることはもちろんありませんが、初めてのバーなら、「ここのことは何もわからない」という態度でいた方が無難です。

 そういう人間に対して店側がどういう対応をするのか、それを見ることをオススメします。あくまで一定の距離をおいて接するのか、それともさっそくお店の仲間に引き込もうとするのか、色々なケースが考えられます。もちろんお客様側の態度や表情によりそれが変わる場合もあります。いずれの場合でも、あまり図々しい態度は取らない方が賢明でしょう。もし色んなバーに行ったことがあるとしても、それはあまり最初から表に出さないほうがよいでしょう。もしかしたらより上手のお客様が常連客としてその場にいらっしゃるかもしれません。少なくともそのお店に関しては、常連客の方が知っていますのでそれは尊重すべきです。そうでないと、初めて入った新規客が尊重されることもありません。

 

  というように、初めてのバーに行く時は心の準備も含め、ちょっとした準備をすると楽になります。
それが無意識にできるようになれば、どんなバーでも気兼ねなく入り、そして気楽に振る舞えるようになるでしょう。